被害者からみた大学のハラスメント相談の回復促進・阻害要因の解明

JSPS科研費(若手研究)助成研究(課題番号 26K21550)

研究の背景

ハラスメントは、被害者の健康や人的・社会的資本まで破壊しかねないものです。日本の大学におけるハラスメント相談窓口は制度的に整備されつつありますが、その実効性や被害者の回復への寄与は十分に明らかではありません。

これまでの研究は制度整備や相談員の対応に焦点を当てたものが中心で、被害者自身の回復体験や支援体験の質を分析した研究は乏しい状況にあります。

研究の目的

本研究は、相談窓口を利用し回復を経験した元被害者へのインタビューを実施し、複線径路等至性アプローチ(TEA)を用いて回復促進要因と阻害要因を体系的に明らかにします。

これにより、被害者から見た相談窓口による支援プロセスを可視化し、日本の大学文化の文脈を踏まえた被害修復のモデル開発ならびに制度改善に資する基盤的知見を提示することを目指します。

研究方法

複線径路等至性アプローチ(Trajectory Equifinality Approach: TEA)に基づいたインタビューと分析を行います。遠隔会議ツールZoomを使用した3回のインタビューを通じて、参加者の回復の道筋と相談対応における回復を促進・阻害する要因を図にして視覚的に共有・確認します。

期待される成果

本研究で得られる知見は、大学相談窓口の制度改善や相談員の研修、さらには大学コミュニティ全体の環境改善に直結する実践的な示唆を提供します。また、日本の大学文化の文脈に根ざした成果として、国際的な議論や比較研究にも接続可能です。